横浜から赤坂へ移り住んで４０年近くなる。
一ツ木通りの中程、住まいも事務所もスタジオも赤坂での音楽生活は、
この「都ビル」からスタートした。
お世話になった「都ビル」から移転する事になって、沢山の曲が生まれた、
此のスタジオとのお別れの記念に「弾き語りアルバム」を作る事を思いついた。
しかし、正確にギターを弾ける技術は無いと思い知った。
１年かかった。
イントロや間奏は途方に暮れながら動かない指を動かして弾いた。
録っては消し、捨てては拾った。
阿木にプロデュースを依頼した。
阿木は１年かけて録音した全トラックの中から、「コレとコレはＯＫ、コレは録り直し、コレはＮＧ！」といとも簡単にセレクトした。
阿木が立ち合うようになってからはスムーズに進み、
引っ越し直前に仕上がった。
阿木、初プロデュース、宇崎、初弾き語りアルバムの誕生である。

by 宇崎 竜童